クレジットカードが会員資格取消になった場合、滞納額やリボ払いの未返済額は、クレジットカード会社の指示に従って、支払い手続きする必要があります。
通常、リボ払いや分割払いの残高は、これまで通り毎月の返済が残高ゼロになるまで続きます。この間に滞納が続いた場合、残りの残高を一括請求される可能性があるのでご注意ください。
なお、クレジットカードの会員資格取消は珍しいことではありません。
とはいえ、会員資格取消がきっかけでカード破産するケースは多いことも事実です。特に複数枚のクレジットカードの支払いを滞納している人はカード破産予備軍の可能性があるでしょう。
本ページでは「クレジットカードが会員資格取消になる原因と復活方法」について、私の実体験をもとに解説します。
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クレジットカードが会員資格取消になる原因とは?
✓支払いはリボ払い
✓複数カードでリボ払い
✓カードローンも契約済み
3つ全部に当てはまる人は、すでに多重債務者です。毎月の支払いが苦しくなっていませんか?
クレジットカードが会員資格取消になる人は、“多重債務”を抱えています。毎月の支払をギリギリでやり繰り、もしくは滞納しているかもしれませんね。
そのため、1枚のクレジットカードが会員資格取消になると、資金繰りが苦しくなって、カード破産に追い込まれるリスクがあります。
クレジットカードが会員資格取消される原因は主に次の3つです。
- 支払いの延滞
- 利用規約違反
- 途上与信
私自身、上記3つをすべて経験しました。
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①:支払いの延滞
クレジットカードが会員資格取消になる一番の原因は滞納です。
滞納はクレジットカード会社との契約違反。「遅延損害金の発生」「カード利用限度額の減額」「会員資格取消」などのペナルティが発生します。
さらに会員資格が取消しになると、信用情報にキズが付き、日常生活に影響が出てくる可能性もあります。
「1日くらい遅れても問題ないだろう」
「請求書のハガキが届いてから支払おう」
クレジットカードの利用残高は借金と同じです。このような軽い気持ちで滞納するのはとても危険です。
【注記】2ヵ月以上の滞納でブラックリスト登録!
ブラックリストとは、信用情報に異動というマイナス情報が記録された状態のことです。
ブラックリスト登録の情報は、滞納額を完済後5年間保管されます。この間、クレジットカードを持つことができなくなり、その他の金融/保証サービスを一切利用できなくなります。
※カードローン、スマホ機種代の分割払い、賃貸契約などができなくなります。
②:利用規約違反
商品券や高額商品をクレジットカードで購入した後に転売すれば、カード利用額を現金化することができます。
ただし換金目的のカード利用は“規約違反”です。
たとえば、三井住友カードの会員規約には以下の記載があります。
第15条(カード利用の一時停止等)
2.当社は、会員が利用枠を超えた利用をした場合もしくは利用をしようとした場合、利用枠以内であっても短時間に換金性商品を連続して購入する等カードの利用状況が不審な場合または延滞が発生する等のカード利用に係る債務の支払状況等の事情によっては、カードショッピング、キャッシングリボおよび海外キャッシュサービスの全部または一部の利用を一時的にお断りすることがあります。
換金目的のカード利用を禁止する規約は、すべてのクレジットカード会社で共通です。
また最近では、FX(外国為替証拠金取引)の海外口座へのクレジットカード入金が問題になるケースも増えています。
海外FXは、日本の金融庁による金融商品取引法に基ずく登録を受けていません。そのため海外FX口座へのクレジットカード入金は換金目的を疑われる可能性があります。
③:途上与信
「途上与信」とは、クレジットカード会社が定期的に行う会員の“信用情報の抜き打ちチェック”です。
日本には信用情報を管理す3つの信用情報機関があります。
信用情報を管理する3つの機関
クレジットカード会社や消費者金融、銀行などの貸金業者は、上記のいづれかの信用情報機関に加盟し、会員情報を加盟機関に提供しています。
つまり、上記の信用情報機関を通じて、私たちの信用情報(契約内容や利用情報、返済状況など)は筒抜け状態になっているということ。
途上与信では、信用情報機関で管理されている会員の信用情報をチェックします。そのため、他社で不信な利用履歴が見つかれば、即契約解除さる可能性があるでしょう。
クレジットカードが会員資格取消になるとどうなる?
会員資格が取消されてもクレジットカードを持てなくなるだけ。その他にも細かいことは多々ありますが、日常生活に大きく影響することはないでしょう。
ただしクレジットカードが会員資格取消になると、下記のペナルティが発生します。
- クレジットカードが作れない
- ローン審査が通らない
- 賃貸契約できない可能性あり
- 他社クレジットカードも会員資格取消になる
1つずつ見てみましょう。
①:クレジットカードが作れない
会員資格取消の情報は、信用情報機関に記録されます。
つまり「信用情報にキズが付く」ってこと。
※会員資格取消の記録は5年間残ります。
クレジットカードの会員資格取消によって信用情報にキズが付いた場合、他社のクレジットカードであっても新規発行できなくなります。
申込みは可能ですが、審査落ちします。
なお審査落ちしたからと言って、短期間のうちに複数のクレジットカード会社に申込みするのは絶対やめてください!ますます信用情報がキズ付きます。
クレジットカードの申込みは、“半年に1回”を目安に行いましょう。
②:ローン審査が通らない
クレジットカードが会員資格取消になると、銀行などのローンも利用できなくなる可能性があります。申込みしても審査落ちするでしょう。
※新規カードができないのと同じ理由です。
「絶対に審査落ちする!」とは言い切れませんが、以下のローンは信用情報を重視するため、利用できない可能性が高いです。
会員資格取消後に利用できないサービス
- 銀行系/消費者金融系カードローン
- マイカーローン
- 多目的ローン
- 学生ローン
- スマホ機種の分割払い
ちなみに、住宅ローンは勤務先、勤続年数が重視されるため、クレジットカードの会員資格取消くらいなら、審査に影響することはないでしょう。
なお、クレジットカードの会員資格が取消されても、滞納期間が2ヶ月未満ならブラックリストに登録されることはありません。
③:賃貸契約できなくなる可能性あり
最近の賃貸物件では、家賃滞納によるトラブルを避けるために、保証会社への加入が義務付けられているケースが増えています。
つまり、借主が家賃を滞納した場合、保証会社が仲介することで借主の損失を防ぎます。
※保証金を入居者が支払う奇妙な仕組みです。。
このような賃貸物件の場合は、賃貸契約前に保証会社が借主の信用情報を審査します。なお保証会社は信用情報機関に加盟しています。
そのため、クレジットカードの会員資格取消などが発覚した場合、賃貸契約(入居)を断られる可能性があります。
ちなみに、これは賃貸契約時(これから賃貸契約する場合)の話です。
ただし家賃を2ヵ月以上滞納した場合は、強制退去を命じられる可能性がある、ということは覚えておきましょう。
④:他社クレジットカードも会員資格取消になる
クレジットカードが会員資格取消になると、新規カード発行申請だけでなく、すでに持っているクレジットカードまでも会員資格取消になる可能性があります。
その理由は「途上与信」です。
とはいえ、途上与信の頻度はクレジット会社によって異なるため、A社のクレジットカードが会員資格取消になった直後にB社も…という訳ではありません。
たとえば、途上与信の回数が多いことで有名な楽天カードの場合、3ヶ月に1度の頻度で途上与信が実施されています。
一般的なクレジットカード会社は半年~1年に1回の頻度で途上与信を実施しています。
そのため複数枚のクレジットカードを持っている人は、1枚目のカードの会員資格取消後、3ヶ月~1年以内に他社のカードも会員資格取消になる可能性がある、ということは覚えておきましょう。
クレジットカードが会員資格取消になった場合、どうする?
初めてクレジットカードが会員資格取消になると、誰だって焦ります。でも、クレジットカードの会員資格取消は珍しいことではありません。
たとえば、楽天カードは入会しやすい一方で、返済トラブルが発生した場合は即強制解約(会員資格取消)されやすいカードとして知られています。
≫ 楽天カードの途上与信とは?強制解約の原因になる理由を解説
もし、クレジットカードが会員資格取消になってしまった場合、焦らずに以下のように対処しましょう。
- クレジットカード会社に連絡する
- 残りの残高を返済する
- デビットカードを作る
まずは落ち着き、できるだけ冷静に対応してください。
①:クレジットカード会社に連絡する
クレジットカードの会員資格が取り消された場合、まずはクレジットカード会社に連絡を取ってみてください。ただし、カード会社に連絡してもクレジットカードが復活することはありません。
この時に重要なことは、「残りの残高を支払う意思がある」という姿勢を示すことです。これにより、今後の対応をスムーズに進めるための一歩を踏み出すことができます。
特に、残高の支払い方法について確認することが必要です。延滞や信用情報に問題があった場合でも、早期に対処することで、さらなるトラブルを回避できる可能性が高まります。
②:残りの残高を返済する
クレジットカードが会員資格取消された場合でも、利用残高の支払い義務は残ります。もし返済しない場合は、さまざまな重たいペナルティが課せられるのでご注意ください。
≫ エポスカードの強制解約は滞納発生後2~3ヵ月!復活・再契約は可能?
会員資格取消後はすぐに返済残高を確認しましょう。通常、返済はこれまで通りのスケジュールで続きます。
※分割払いやリボ払いをご利用していた場合、これまで通りの返済スケジュールが完済まで続きます。
会員資格取消後も残高の未払い状態が続くと、信用情報に悪影響を及ぼし、将来的に他の金融サービスの利用が制限される可能性もあるのでご注意ください。
③:デビットカードを作る
クレジットカードの会員資格が取り消された場合、デビットカードの利用を検討しましょう。
デビットカードの特徴
- カード発行審査なし
- カード決済後、銀行口座から即時引落し
- クレジットカードと同じように利用可能
- ほとんどのカードは年会費無料
デビットカードは、銀行口座の残高から即時に引き落とされるため、使い過ぎて借金を負う心配がありません。また、審査なしでカードが発行されるため、クレジットカードが作れない方でもご利用可能です。
クレジットカードの審査に不安がある人は、デビットカードをご利用ください。
クレジットカードの会員資格取消後、復活は可能?
信用情報機関に登録された会員資格取消の記録は、滞納額を完済後5年間残ります。
つまり、5年経過すれば信用情報は回復します。それにもかかわらず、会員資格取消になったクレジットカードは“2度と復活しない”と言われています。
その理由は、各クレジットカード会社には“社内ブラックリスト”があり、過去に金融事故(会員資格取消や債務整理など)を起こした会員情報は、半永久的に社内ブラックリストに残るためです。
しかし、『楽天カード』だけは会員資格取消後でも“復活できる可能性”があります。
なお「会員資格取消後に同カード会社のクレジットカードを再発行できた」という例は、ネットで探してみても“楽天カード”だけでした。
クレジットカードが会員資格取消になると住宅ローン審査に通らない?
結論、問題ありません。
その理由は、住宅ローン審査では下記が重要視されるからです。
住宅ローンで重視される審査項目
- 年齢:完済時の年齢が75歳未満
- 年収:400万円以上(目安)
- 勤続年数:1年以上(目安)
つまり住宅ローン審査では「返済能力」が重視されます。
そのため、職業や勤務会社によっても審査に通りやすい通り難いの差があるでしょう(公務員は特に有利)。
ただし「ブラックリストに登録されていないことが前提」です。
クレジットカードが会員資格取消になったからといって、残っている支払いを放置(滞納)してはいけません。
クレジットカードの会員資格取消に関するよくある質問
会員資格取消後、未払い額は一括請求されません。
たとえば、リボ払い残高や分割払い残高が残っている状況で会員資格取消になった場合、未清算分のカード利用残高はこれまで通りのリボ払いもしくは分割払いが継続します。
ただし、クレジットカードの延滞期間が2ヶ月以上の場合、内容証明郵便による一括請求の督促状が届きます。この場合は督促状の指示に従って期限内に一括払いしなければいけません。
たとえば、楽天カードは毎月の支払い日に口座残高不足で引落されなかった場合、翌営業4日間に自動で再振替が行われます。
そのため、再振替期間に入金しておけば自動で支払いが完了するため、カード会社から支払い催促の電話や督促状が届くことはありません。
ただし、再振替期間中に口座入金した場合でも、延滞日数に応じた遅延損害金が発生するほか、延滞情報が信用情報機関に登録されます。
毎月のように延滞を繰り返すと、会員資格取消になる可能性もあるので気を付けましょう。
会員資格取消の際、カード会社からの事前連絡はありません。
なお会員資格取消後も、カード会社から連絡がくることはないでしょう。そのため、会員資格が取消しになっていることに本人が気付いていないケースは珍しくありません。
ちなみに、楽天カードの場合は「楽天e-NAVI」にログインすると(エラーコード:2)というエラーが表示されます。
(エラーコード:2)は「会員資格が取消されました」というお知らせということは覚えておきましょう。
クレジットカードが会員資格取消になっただけでは、ブラックリストに登録されません。
ただし指定情報信用機関CICの信用情報開示報告書には、「返済日より61日以上または3ヶ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの」には“異動”情報が記録されることを明記しています。
信用情報に“異動”が記録されている状態を、世間では“ブラックリストに登録されている”と表現しています。
※正式にはブラックリストという名称のものは存在しません。
一般的には、異動が信用情報に記録されるより前に、クレジットカードの会員資格が取消されます。
- クレジットカードが会員資格取消になる目安期間
:延滞発生後1ヶ月未満 - ブラックリストに登録される条件
:61日以上の支払遅延
そのため、クレジットカードが会員資格取消になった時点でブラックリストに登録されてていることはないでしょう。
ただし、会員資格取消後も支払いの延滞を続けた場合は、ブラックリストに登録されるのでご注意ください。
年会費無料のクレジットカードを持っている人で、年間を通して利用頻度が少ない場合、延滞履歴がなくても会員資格取消になることがあります。
たとえば、楽天カードは新規会員登録した方に5,000円のキャッシュバック特典を実施していますよね。
このような入会特典目当てでクレジットカードを作ったものの、その後まったくカードを使っていないという会員は、延滞がなくても会員資格が取消されるケースがあります。
以上です。
任意整理とは、あなたの代理人(司法書士や弁護士)が債権者(クレジットカード会社や消費者金融など)に直接交渉・和解することで、借金を減額し、無理のない返済条件を取り決めする手続きです。
任意整理を考えた方が良い人の特徴
✓借金を返済できる目途がたたない…
✓毎月の支払いの滞納が続いている…
✓支払い催促の電話におびえている…
「毎月の返済を滞納している人」「返済を続ける目途がない人」は任意整理によって借金を減額できる可能性があります。
- 借金の支払い催促・取立てを止めることができる
- 借金を減額し、月々の返済負担を軽くすることができる
- 裁判にならないため財産差押えや給料・賞与の差し押さえがない
- 借入先が多くなるほど手続き費用がかかる
- 借金が免責されるわけではない※減額されるだけ
- ブラックリストに登録される
※滞納が2ヶ月以上続いている人はすでにブラックリストに登録されています。
任意整理は弁護士(もしくは司法書士)に代理人になってもらい、債権者(カード会社や消費者金融業者)と交渉してもらう必要があります。
弁護士に相談する前に“どれくらい借金が減額できるのか”を知っておいた方が良いでしょう。
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