こんな疑問お答えしようと思います。
ちなみに、コロナの影響で大学施設が使えないのに、授業料がこれまでと一緒っていうのはおかしい!!って思う派です。
大学側としてはリモート授業への切り替えや経済的に困窮する学生への支援があるため、授業料を引き下げることができない…っとい主張があるようですが、大学施設が機能していなければ電気代は大幅に削減されているはずだし、学生対応する窓口勤務の職員の人件費削減だってできるはず。
学生だけが痛手を食らうって、間違っていると思います。
☑ 学部4年+大学院5年で物理学博士号を取得
☑ 某大学の研究機関でPDとして勤務(5年任期)
☑ PDの給料は360万円(年収)
さて、本題の「2021年度に大学院へ進学すべきか」という問題について。
結論から言うと、「2021年度は大学院へ進学すべきではない」と思っています。
むしろ、2021年度だけではなく、少なくても2022年度までは進学を見送る方がいい。
その理由について、元PDとして大学院に携わってきた側からの見解を解説しますね。
目次
2021年の大学院進学はちょっと待って!! コロナ時代は学生にとってデメリットが多い

大学院進学を辞めた方がいい理由
- コロナによる渡航制限があるため、国際会議・研究会に行くことができない。
- 国内学会・研究会が見送られる(リモート開催)になる可能性がある。
- 経済的な影響が大きい(補助金や給付金などが受けられない)
とは言っても、すでに進学が決まている学生もいるかもしれません。
その場合は、1年間 or 2年間くらい『休学』しましょう(できればコロナが落ち着くまで…)。
以下、詳しくチェックしてみますね。
大学院進学を辞めるべき理由①
国際会議・研究会に行くことができない
大学院に進学するメリットは、研究を通して知見を深めることで『価値観』『世界観』が大きく広がることだと思います。
研究とは未解決問題を解き明かす試み
どんなにマイナーな研究テーマであっても世界最先端のことをしているんです。つまり、研究活動するフィールドは日本国内で完結することはなく、必然的に世界へと広がっていかなければなりません。
しかし、コロナ時代の現在、海外への渡航制限を各国が実施しており、特に島国の日本はその影響をものすごく受けていますよね。
国際会議や研究会が研究のすべてではありませんが、そうしたイベントが研究を続けるモチベーションになることも事実です(特に大学院生にとっては)。
国際会議への参加の重要性はこちら:国際会議で痛感した英語の重要性に書いていますので興味ある方はご覧ください。
このように考えると「今の時期に大学院へ進学する意味ってあるの??」っと思わざるを得ません。
大学院生でなくても、ゼミや研究論文を読むことは、自主的にやれることでもあります。
大学院進学を辞めるべき理由②
国内学会・研究会が開催されない可能性
2020年度に予定されていた国内学会・研究会はリモートで開催されたようですね。
開催されるだけまし??かもしれませんが、やっぱり物足りませんよね。。
学会への参加は業績を作るうえでも大切ですが、大学院生の場合は自身研究分野の国内的な立ち位置を把握するためにも学会は重要なイベントです。
- 自分の研究分野にはどのような人達がいるのか。
- どういう研究テーマがどこの大学院で行われているのか。
- 私と同じ様な大学院生はいるのか。
こうした情報を知ることも大切です。
研究室によっては一度も学会へ参加することなく修士で卒業していく大学生もいます。研究に取り組んでいるにも関わらず、学会・研究会へも参加せず、さらには学内で2年間を送って修了するって…。
そんな大学院生は可哀そう…。
研究室、教授に恵まれなかったんだね。
コロナによる影響で、国内学会・研究会が開催されず、参加実績がないままに大学院を修了しまう可能性・リスクは真面目に考えるべきです。
繰り返しになりますが、大学院に進学するメリットは、研究を通して知見を深めること『価値観』『世界観』が大きく広がることです。
その機会を不運にも奪われたも同然です。
私はM1の夏季に初めて学会に参加し、そこで感化されました。それ以降は学会・研究会に参加することを研究活動を続けるモチベーションにしていました。こうしたイベントは学生にとっては超刺激的で貴重な経験なので、大学院生は絶対参加すべきです。
大学院進学を辞めるべき理由③
経済的な影響が大きい
従来通りの研究活動ができない可能性があるにもかかわらず、授業料は変わらない。
さらに研究室で使えるお金(教授の科研費など)も不十分で、間接的に大学院生の研究活動にも影響してくる可能性も考えられます。
「不公平…」っと言うと大袈裟かもしれませんが、そんな感じ。
さらに、現段階ではコロナ給付金関連が大学生・大学院生にまで行きわたっていない印象を受けますが、今後は状況も変わってくるかもしれません。
※現状では、各家庭や企業への経済対策で国はいっぱいいっぱいって感じなので仕方ありません。
高校生への給付金ですら国会で検討され始めていますので、遅かれ早かれ大学・大学院生に対する給付の話も出てくる可能性が考えられます。
さらに、仮に修士卒業で就職しても、2023年度の日本経済は不景気真っただ中(もしくは景気下降中…)で若者の先行きも暗い…。
そうした状況も考慮すると、「今の時期に大学院へ進学する意味ってあるの??」ってやっぱり思っちゃいますよね。
少なくても1年 or 2年はタイミングをずらす方が得策ではないか、と思います。
大学院を休学することのデメリット【特にない】
ニートするなっとは言いませんが、仮に実家に帰ってニート生活するにしても、自分のスキルアップのために何かを学習しておいてくださいね。
さて、休学することを心配する必要はありません。それよりもコロナ渦で大学院に進学しても得られるメリットがないことを心配すべきです。
- 就職するときに印象が悪くなる。
- 奨学金が借りれない。
- 学費がもったいない。
すべて問題ありません。
考えてみれば納得できることですが、あなたの不安はまったく根拠のない妄想です。
休学のデメリット①
就職する特に印象が悪くなる
印象が悪くなる原因は、休学をしたことではなく「なぜ休学したのか」「休学して何をしたのか」という質問に明確に答えられないからです。
例えば「留学していました」っという理由で休学をしていたらどうでしょう。
その結果、英語がペラペラになっていれば超好印象ですが、そうでなければ「留学してなにしてたの??」って思われて仕方ないですよね。
休学する明確な理由があれば問題ない。
2021年に休学する理由はなんですか??
大学院への進学は2019年の時点ですでに決まっていましたが、コロナの影響により大学院で研究活動するメリットを十分に受けることができないと判断し、休学という形をとりつつ教授に相談させてもらいながら個別で研究活動をしていました。
とかいう理由で良いですし、
修士で卒業することを考えていましたが、コロナ渦による影響により景気が後退し始めたことを考慮し、日本市場全体の景気回復の兆しが期待できるまでは大学院生として社会で即戦力になるスキルを身に着けようと考え休学という形で猶予期間を確保しました。
とか。
このようなプランがあって「休学』を選ぶことが自分にとって最善策だった」っということを説明できれば、印象が悪くなることはないでしょう。むしろ好印象です。
休学のデメリット②
奨学金が借りれない
休学中の奨学金についてはこちらをご参照ください。
結論から言えば、休学することも申請すればOKです。
休学期間が明ければ貸与は再開されます。
※休学中の貸与は休止状態になります。
休学のデメリット③
学費がもったいない
あまり知られていない??のかもしれませんね。
- 国立大学
→ 休学中の学費は発生しません。 - 私立大学
→ 年間10~20万円が必要です。
私立大学の場合は、各大学によって異なりますので所属する大学院HPで確認してみてください。
なお、博士課程まで進学を考えている方は、第一種奨学金の免除制度ってなに!?についても知っておいてくださいね。
そもそも、現在の大学3年生 or 4年生って休学した方がいいと思いません??
今の状況で就職活動しても、例年通りに就職先が決まっていくかは微妙ですよね(業種にもよりますが)。
それよりは、1年間ほど休学してその間に社会で即戦力となるスキルを身に着けてから新卒採用で就職活動を再開した方が、メリットは大きいと思いますが、どうなんでしょう…。
最後に:大学院へ進学する目的を明確にしましょう
大学院へ進学するメリットを考えれば、今の時期に進学することはおすすめできません。
大学院進学を辞めた方がいい理由
- コロナによる渡航制限があるため、国際会議・研究会に行くことができない。
- 国内学会・研究会が見送られる(リモート開催)になる可能性がある。
- 経済的な影響が大きい(補助金や給付金などが受けられない)
休学することでい新卒時期が1年 or 2年遅れることへの不安を感じている人もいると思いますが、そんなことって全くどうでもいいことですよ。
例えば、大学の同級生の中には浪人生もいたはずです。そういう人は大学生活の中でなにか不利益を被っていましたか??
まったくそんなことないと思います。
しかもそれが1年や2年くらいなら気にする必要はありません。
それよりも、もっと悩むべきことがあります。
大学院に進学することで、
✓何ができるのか
✓何をしたいのか
✓何者になれるのか
これ答えられなければ、コロナ渦など関係なく、そもそも大学院へ行く意味はないでしょう。
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