もしあなたが「博士卒でも就職できないかもしれない」という理由で博士課程に進学するかどうかを悩んでいるなら、それは余計な心配かも。
本記事では、元ポスドクの私が博士の就職事情について、実体験を元に解説します。
- 博士は就職できないはウソ!? 元ポスドクが真実を語る。
- 博士に進学する不安は就職だけ?? 他にも悩みがあるはず。
結論から言うと、就職する気がない博士が就職できない(or していない)だけであり、就職する気がある人は、普通に就職しています。
博士の就職率:67.7%
これは、文部科学省による「学校基本調査」の調査結果報告書のデータです。
※後ほど解説します。
67.7%の数字だけでも就職率は悲観するほど低くないと思われますが、博士学生の実情を考慮して考えれば、残りの32.3%が“就職できなかったわけではない”ということ。
つまり、就職する気がなく(就職活動もせず)学位取得退学という形で卒業していっただけです。
ですから、安心してください。
将来について真剣に考えて、悩んでいるあなたであれば、全く問題ないと思います。
就職できるかできないかはあなた次第ではありますが、就職する意思があって”就職できない”と言うことは、”ほぼない”と思って大丈夫です。
という私も、実は博士課程に進学するかどうか悩んだ経験があります。
☑ 学部4年+大学院5年で物理学博士号を取得
☑ 某大学の研究機関でPDとして勤務(5年任期)
☑ PDの給料は360万円(年収)
私も経験してきたことなので、これから博士課程に進学しようかどうかを迷う修士学生の気持ちは理解できます。
だからこそ、助言します。
就職できるかどうかで悩む必要はまったくありませんのでご安心ください。
博士は就職できないはウソ!? 元ポスドクが真実を語る
「大学院の博士課程にまで進んでしまうと就職できないから修士課程で卒業した方がいい」という話は今も昔もよく聞く話です。
しかし、それは根拠のないデタラメです。
博士課程に進学できなかった修士学生が自分を納得なせるために“自分自身に言い聞かせた言い訳”です。
ここまでが私の感想・意見です。
これからはデータを基にした事実について解説します。
文部科学省による「学校基本調査」の調査結果報告書には学部卒・修士卒・博士卒のそれぞれの進路調査が報告されています。
その資料によると、平成30年度の博士卒業者の就職率は67.7%と報告されています。
実際の報告書にある学部卒・修士卒・博士卒の就職率比較してみると以下の通り。
平成30年度 調査結果 |
就職率 | 就職(進学) していない率 |
大学(学部) 卒業者 |
77.1% | 8.6% |
修士課程 修了者 |
78.5% | 10.8% |
博士課程 修了者 |
67.7% | 24.4% |
さて、この結果をどのように捉えるべきでしょうか。
博士卒の就職率は学部・修士卒よりも“少しだけ低い”ことは確かですが、“就職率67.7%”を見て“博士は就職できない”と結論付けるのは無理があると言えるでしょう。
「普通に就職できてるじゃん」って思いますよね。
博士課程進学者のリアル@H30
- 博士卒の就職率:67.7%
- 就職できていない(or していない)割合:23.3%
ちなみに、博士がみんな優秀かと言えばそうではありません。
博士課程へ進学した学生の中には、就職することを嫌い、仕事することも避け、学生気分が抜けきれずにダラダラと博士まで進学してきた…という人もいます。
こういう“怠け者博士”が23.3%の中に含まれていることを考えれば「就職できなかったのではなく就職しようとしなかった」とうだけです。
“博士は就職できない”という話は、こうした事実ベースのデータを理解できない修士学生の根拠のない意見(or 言い訳)でしかありません。
そもそも、こうしたデータを分析できない時点で、ちょっと残念な学生です。。
そんな人たちの意見に惑わされているだけ、時間の無駄です。
ただし、研究者としてポスドクのようなポストに就職できるかどうかは別の問題です。
研究者になれるかどうかは、自分が卒業(学位取得)する時に自分の専門分野のポスト(募集)があるかどうかの”運の要素”も大きく影響します。
さらには、教授や共同研究者などの人脈、つまり“コネクション”があるかも影響してきます。
こればかりは、あなたのいる大学院や研究環境によって状況は違ってくるため、アドバイスのしようがありません。すみません。
「もし、あと1年学位取得の年が早ければ… or 遅ければ…」っという時期的な問題で、研究職につけるかどうかに影響することだってありますので。
博士卒でも研究職に就けるとは限らない
もしアドバイスするなら、実績作りを頑張ってください。
具体的には『論文数を出す』『学会・研究会に積極的に参加する』ことの2つです。
研究職に就く or 就かない、という問題は別にしても、この2つは研究者を目指すなら必須ですので、就職できるかを心配する前に、実績作りに専念した方がいいかも。
とは言っても、不安が解消されるわけではないので、研究職以外の分野への就職の選択肢もちょっとだけ考えておいて損はありません。
むしろ、選択肢が複数あった方が心は安定します。
アカリク転職エージェントは、大学院で専門分野の研究をしてきた博士・ポスドクに特化した就職サイト「アカリクWEB」を運営する株式会社アカリクの転職エージェントサービスです。
就職に不安がある方は登録しておいても良いかも。
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博士課程に進学する不安は就職だけ?? 他にもあるはず
本当は「博士卒で就職できるか」とは別の悩み・不安もあるのではないでしょうか??
例えば、
- 博士課程に進学すると最短でも27歳まで学生のまま…(同級生たちは社会人となり結婚し子供を作って家庭を持つ年齢なのに)。
- ずっと無収入の状態が続いてしまうのが不安…。
- 両親もそんなに若くないし働いて親孝行もしたい…。
こういう不安を抱えているはずです。つまり、結局のところ”お金の心配”ですよね。
奨学金を借りて進学するため、卒業後は返済の負担もあります。
さらに言うと、博士卒だからと言って給料がいいわけではありません。。
※詳細はこちらをご参照ください。
これは、私自身が博士課程を経験したことがあるからこそ言えることですが、博士課程に限らず、大学院生は研究活動とは別にフリーランスとしての活動基盤を作っていくべきだと思います。
もしろん、研究と両立すると大変になりますが、やる価値は十分にあるし、フリーランスとしての活動基盤ができれば、経済的な不安からも解消されます。
ちょっと具体例を提示しておきます。
研究を通して身に付くスキルは、即戦力として仕事に転換できるケースがたくさんあることに気付いていますか??
例えば、
- Webライティング
- プログラミング
などのスキルが典型的な例ですよね。
具体的にはクラウドソーシングを利用する方法があります。
※自ら営業周りをして仕事を取る必要はありません。
有名なクラウドソーシングサイトはランサーズとクラウドワークスですので、具体的にどのようなお仕事があるのかチェックしてみるとイメージがつきやすいかも。
まずは自分の腕試しにトライするものありだし、フリーランスとして働くとはどういうことなのかをイメージするためにも、クラウドソーシングにチャレンジしてみてください。
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まとめ:博士は就職できないはウソ。ただし研究職に就けるかはあなた次第。
あなたの抱えていた不安は、研究職を志すほとんどの大学院生が抱えている不安です。
しかし、もしあなたが「博士卒でも就職できないかもしれない」という理由で博士課程に進学するかどうかを悩んでいるなら、それは余計な心配かも。
博士が就職できないのは、根拠のないデタラメだし、フリーランスとして活動&独立する選択肢だって持つことができるようになります。
博士は就職&起業できる
- h博士修了者の就職率:67.7%
→ 就職できないはまったくの嘘。 - 博士は多くのスキルを持っている
→ フリーランスとしての活動基盤を作りましょう。
とは言っても、就職の可能性は常に意識しておいた方がいいかも。
選択肢が複数あった方が、研究にも専念できますから。
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以上、最後まで読んでいただきありがとうございます。
大学院生のみなさん、がんばりましょう!!
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