カフェ好き女子に質問
- あなたのカフェでの滞在時間はどれくらいですか?
- あなたの注文した料理 or/and ドリンクのお値段はいくらですか?
最近では従来のカフェの様な営業形態から、ドリンクを中心に提供すし個々の客席を設置しないフリースペースを設けたコーヒースタンドという営業形態が増え始めています。
こうした変化は時代のニーズに合わせた変化(いや、進化?)であり、さらにはカフェという営業スタイルの弱点を克服するために考えられた営業スタイルだと思われます。
それでもなお、カフェ経営の難しさは他業種と比較しても際立っているように感じます。。
街中にひっそり佇む隠れ家的な雰囲気のあるお洒落なカフェ。
日中も混雑することなくて、利用者にとってもすごく居心地の良い環境でついつい長居してしまう様な落ち着いたカフェってすごく好まれますよね。
しかし半年後、、
誠に勝手ながら○○月○○日をもちまして営業を終了することになりました。
永らくのご愛顧、大変感謝いたします。
こんな経験、女性の方なら一度はありませんか??
すごく居心地の良い素敵なカフェだったのにどうして閉店するのでしょうか。
その理由について、もちろん分かりきった答えではありますが、本記事では元カフェオーナーらしくカフェ経営が難しい理由を実体験を基に掘り下げて解説したいと思います。
目次
【経営困難】カフェが閉店する理由は需要の供給のバランスが合わないため

最初の質問を思い出して欲しいのですが、おそらく滞在時間が1時間~2時間で支払う金額が1,000円以下と言う回答が多いのではないでしょうか。
例えば、これがコワーキングスペースだったりレンタルスペースならいいのかもしれませんが…(いやそれでも低価格ですね)。
つまり、これなんですよね。
カフェが閉店する理由はこれ!!
お客さんがカフェに求めるサービスに対して支払われる金額のバランスが合っていない…
カフェ側の対価として受け取る報酬が少ないことが原因!!
こんなカフェが良い!!っというお客さんの需要になんとかカフェは応えようと努力します。
最近ではインスタ映えとかデザインカプチーノとか、写真に撮られることを意識したサービスの提供が必須です。
可愛いケーキを考案したり、女性に喜ばれるランチや居心地の良い空間・インテリアを用意してお客さんに喜んでもらえるようにおもてなしをします。
その結果、お客さんに喜んでいただけるカフェになりました!!
しかし、売り上げを見てみると、、「あれ?」という結果に。
そうなんですよね、カフェはそもそもの客単価が低い。
多くのお客さんがカフェに対して支払う金額は1000円前後(もしくはそれ以下)です。
そう思っているお客さんも実際は多いです。。
さらに最近ではインスタブームによって高校生の世代もカフェを利用することが多くなってきましたし。。
その結果、カフェに求めるサービスに対してカフェ側が受け取る報酬が低くなり、経営そのものが困難な状況に陥ってしまうという事態が発生します。
カフェが閉店する理由:低い客単価で経営難
再び質問
Q. カフェに行った時、あなたは何を注文しますか?
- ドリンク一杯
- ランチセット or ケーキセット
- ランチの後にケーキセットのフルコース
- 何も注文しない
私がカフェをしている時は、何も頼まない強者客やテイクアウトの焼き菓子(200円)を買って居座るお客様もたまーにいました。笑
もしろん、ご注文の催促はさせていただきましたが…。
珈琲一杯ならだいたい500円前後の価格帯、ランチやケーキセットは1,000円前後、ランチにケーキのフルコースなら1,500円前後といった価格設定が多いのではないでしょうか。
女性の場合は1時間~2時間の滞在時間が多いと思われますが、フルコースでご注文いただいた場合は2時間の滞在は普通ですよね(むしろ2時間以上になりますね)。
この場合、時間当たりの客単価は750円になります。
ここで、カフェの売上から算出される利益について考えてみましょう。
想定するカフェ
- 営業時間:11:00-21:00 (10時間)
- 客席数:30席 (満席率60%)
- 客単価:750円
1日の来客数は回転数に比例することになるため、いくつかのパターンを想定し、売上を予測した上で1日の利益→月額利益を導いてみた結果が以下になります。
回転数 | 2 | 3 | 4 | 5 |
来客数 | 36 | 54 | 72 | 90 |
売上 | ¥27,000 | ¥40,500 | ¥54,000 | ¥67,500 |
家賃 | 月額25万円(1日あたり8,333円) | |||
光熱費 | 月額6万円(1日あたり2,000円) | |||
食材費 | 売上の30%と仮定 | |||
人件費 | 売上の30%と仮定 | |||
利益 | ¥467 | ¥5,867 | ¥11,267 | ¥16,667 |
月額利益 | ¥11,667 | ¥146,667 | ¥281,667 | ¥416,667 |
最終的な月額利益は月25日営業をした場合を想定しています。
※実際には、広告費や消耗品費、通信費なども必要になってきます。
ざっくりした見積になりますが、かなりリアルな数値だと思います。
しいていえば、光熱費と人件費がやや低く見積もられている感じですね。
さらに、銀行融資などを受けている場合、毎月数万円~10万円の返済が必要になります。
それらも含めて考慮すると、カフェ事業で普通に生活するためには、少なくとも1日あたり70人以上の来客が必要になります(25日営業を想定しているため、事業者は週休1日です)。
※実家で生活していたり旦那様の収入で生活費がまかなえる場合はもっと楽になりますね。
この70人という数字をどう考えますか?
例えば土日などに70人~100人って来客数があっても、それが平日になると20人~30人になるってこともざらにありますので。。
来客数はお店をオープンしてみない限りは、なんとも言えないところが難しいんですよね。
カフェが閉店する理由:カフェは無料休憩所ではありません
これが常識?ではないですが、世の中の一般的な意見かもしれません。
しかし、その風潮も徐々に変わり始めているかもしれませんね。
例えば、最近だと蔦屋書店と一緒になったスタバがちょくちょく出てきていますね。
高級感のあるラウンジの様なスタバになっていますが、一部の時間帯を除いて有料のコワーキングスペースとなっているところが増えてきています。

上の例は大阪の梅田蔦屋書店のスタバを例にあげていますが、ドリンクを購入したうえで客席の使用料が発生する料金システムになっています。
つまり、店内を利用する場合はドリンクの購入とは別に時間に応じて利用料金が発生することになります。
今後はこうした料金システムがいろいろなカフェでも導入されていくかもしれませんね。
でもこれって、本来カフェはこうあるべきなんですよね。
カフェの良いところは、その空間の中でリラックスして心地よくくつろぐことができるとこだと思うんです。
つまり、ドリンクやランチなどの料金とは別に場所代が発生してもなんらおかしくないんですよね。
むしろ、カフェはくつろいでもらうための設備投資をしているため、そこのコストは回収しなければなりません。
それを疎かにして無料サービスしていたこともカフェ経営者側の落ち度であったとも言えます。
もっと言えば、カフェであってもチャージ料金を取っていいかもしれません。
例えば、コワーキングスペースにちょっとした一口サイズの焼き菓子などを自由につまめるようなサービスをしてチャージ料を頂くのもありではないでしょうか。
そのためにも、「カフェは無料休憩所ではない」よいう認識が広まれば良いのですが。
好きなカフェには投資すべき

もしもあなたが「このカフェ素敵だったな」と思えるカフェに出会ったとしたら、そのカフェではあなたの支払う金額以上のサービスが提供されているはずです。
もしもそのカフェが知り合いのお店だったとしったら、帰り際にテイクアウトの商品でも買っていきたくなりませんか?
ランチを食べた後にケーキも食べたくなりませんか?
珈琲のお代わりしたくなりませんか?
投資というほどのことではありませんが、そこにカフェがあることでひと時の幸福感を味わうことができたのであれば、いつもの注文に+ワンコインくらいのサービスを注文してみてはいかがでしょうか。
お店の定員はそうしたお客様のお気遣いを大変うれしく思い、あなたにいっそうのサービスを提供したくなるものです。
それによってあなたはさらなる幸福感を味わうことができるはずです。
まとめ:カフェが閉店する理由は客単価が低く需要供給のバランスが合わないことが原因
もちろんこれ以外にも様々な原因があるでしょう。
- 食事、コーヒーがまずい。
- 店員さんが不愛想で2度と行く気がしない。
- 逆に料金が高すぎる。
などなど。
こうした問題をあげればきりがありませんが、今回は少なくともお客さんに気に入られるカフェになっているはずなのに、経営難で閉店してしまう原因について具体的な売上等を見積もって考えてみました。
その結果、「時間当たりの客単価が低い」ということが経営難に陥るそもそもの原因であることがわかった上で、なぜ客単価をあげられないのかについて考えてきました。
その理由こそが、お客さんが求めているサービスに対してカフェ側が受け取る報酬が低いという需要と供給のバランスが崩れていることを結論付けましたね。
この問題を解消するためには、
- カフェは無料休憩所ではない、という認識が広まらなければならない。
- 利用時間に応じた客席使用料が発生する料金システムが一般的なカフェでも普及する。
- お気に入りのカフェには投資する気持ちを持つ。
という世の中の変化が必要になると思います。
もちろん、こうした状況においても上手く経営をされていて成功しているカフェもあり、それは純粋にすごいな、と思います。
しかし、統計的に見れば極めて少数派になると考えられます。
世の中のカフェに対する認識がちょっとずつ変われば、もっともっと良いカフェが増えて、もっと楽しい世の中になるのではないかと思っています。
そう、単純にカフェが好きだからこそ、もっともっと良いカフェがたくさん溢れてほしいんです。
それはそれで、競争が激化してしまうんですけどね…。笑
以上になります。
かなり偏見のある内容の記事になりましたが、読んでいただきありがとうございました。
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