大学院生になると、こうした悩みを抱える学生がちらほら出てきます。
私自身もそうなりかけたことはありますし、後輩にも教授と性格が合わなくて悩んでいる人を見てきました。
この状況をどうすれば改善できるでしょうか。
元ポスドクとしての経験を踏まえて結論をお伝えします。
残念なだがら、対処法はありません。。
大切なことなので、読み飛ばしがないようにもう一度言いますね。
大学院に進学したけど、指導教授と合わない(or 嫌われているかも)と感じてしまった場合、効果的な対処法はありません。
本当に残念です。。
さらに厳しいことを言うと、そうした境遇に陥ってしまう原因は、学生側にもあります。
あなたは大学院という場所を誤解していませんか??
誤解しがちな大学院という場所
- 大学院は学校ではないため、学生を平等に指導するっという概念はない。
- 大学院での研究はあなたがやりたい研究をする場所ではない。
- そもそも大学院の教授がみんな研究をしているわけではない。
これらは、残念ながら事実です。
すべでの研究室に当てはまることではありませんが、当てはまってしまう研究室も多いというのが現状…。
本来なら、こうした事実を理解した上で、“どのように大学院を利用するか”を学生自身が考えて進学を決めるべきです。
どのような理由があっても、大学院へ進学し研究室入ったことを後悔しまったのであれば、それは“自己責任”と割り切るべきです。
※憤慨する気持ちも理解できますがこれが現実です…。
「そんなこと今さら言われても困ります…」って感じですよね。(笑)
では、教授と合わない(嫌われてしまった)と感じたら、退学するしかないのでしょうか。。
大学院で教授と合わないと感じれば研究を辞めてOKです。
※退学してOKという意味ではありません。
- 大学院の卒業を待たずに大卒として就職する。
- 大学院2年間でスキルを身に着け起業する。
- 研究室を変えたいと教授に相談する。
「とは言っても、まだM1だし。この先どうしよう。」って、思いますよね??
さて、どうしましょうか??
でも、これは非常にもったいない!!
「研究室に顔を出さなくなり、音信不通…。そのまま自主退学…」となることだけは避けてください!!
それこそ、学費と時間を無駄にしただけで終わってしまいます。
「じゃぁそうすればいいの??」ってことなんですが、元ポスドクの目線から、いくつかご提案させていただこうと思います。
せっかくだし、大学院にいる時間を自分のために有効活用することをおすすめします。
目次
大学院で教授と合わないと感じれば研究を辞めてOK!!

結論、研究を辞めましょう!!
※大学院を辞めろと言っているわけではなりません。
どんなに優秀な学生であっても、修士学生が1人で研究成果を出すことは不可能です(論文の書き方も投稿方法もわかりませんよね??)。
「教授と合わない、関係性が悪化した」と思うなら、無理に関係を修復・改善しようとせず、研究を辞めてしまうのが一番良い方法です。
では、研究を辞めた後にあなたが取るべき道は3つ。
研究を辞めた後に進むべき3選
- 大学院の卒業を待たずに大卒として就職する。
- 大学院2年間でスキルを習得して起業する。
- 研究室を変えたいと教授に相談する。
どの道を進もうとも、現状に悲観する必要はありませんよ。
上記3つ以外の選択を考える場合にも、大学院在学っという立場を今後に生かしましょう。
では、提案した3つの道についてより詳しく考えてみましょう
※大事なことなので繰り返しますが、悲観する必要はありませんよ。マジで。
研究を辞めたあと①
修士修了を待たずに大卒で就職する
すぐに就職活動を再開し、就職先が決まれば大学院を自主退学するという選択肢です。
要するに「就活浪人するよりは大学院に進学して履歴書に空白ができるのを回避した」っという形にしてしまう方法です。
このように思う人がほとんどだと思いますが、現実的なことを言うと、大卒であろうと修士卒であろうと就職してしまえば区別されることはありません。
※社会的価値はほぼないに等しい。
なお、初任給でちょっとだけ優遇されることはあるかもしれませんが、同会社に数年勤めれば、大卒者との大差はなくなります。
結局のとこと、仕事をするうえで学歴は関係ありません。
あなた自身が何ができるのかと言うことが重要になるし、そこだけが評価される要素になります。
「大学院卒は就職の幅が広がる」っというのは大きな間違いです。就職で有利になる学生は大学院卒とは関係なく本人が優秀なだけです。優秀でも何でもない大学院生は山ほどいます。そんな学生が大学院卒っというだけで就職の幅が広がるほど、社会は甘くありません。
あなたがどんなに優秀な学生であっても、修士学生が1人で研究成果を出すことは不可能です。
つまり、研究とは、その研究テーマの歴史を辿る側面もあり、そのためには指導教員や先行研究者との共同研究、密なコミュニケーションが必要不可欠です。
それを修士の学生1人が網羅することなど、どんなに優秀であっても無理です。
修士学生であっても、やろうとしていることは『研究』です。
研究は世界最先端でなければならない。
教授(指導教員)との関係性がこじれてしまった時点で、研究を続けることは実質的に不可能です。
残念ですが、これは受け入れなければいけません。納得できない人もいるかもしれませんが、大学院というものをそもそも誤解しています。。
大学院は教育機関ではなく研究機関です。
※厳しい意見でごめんなさい…。
研究を辞めたあと②
在学中にスキルを身に着けて起業する
起業といっても「オフィスを借りた従業員を雇って社長になれ!!」って言ってるわけではなく「フリーランスとして活動できるようにスキルアップしよう!!」っていう提案です。
大学院在期間中に、フリーランスとして独立するための準備をしましょう。
もし、フリーランスという働き方が自分には合わないなっと思えば、就職すればいいだけ。
その際には、フリーランスとして活動した実績は自己アピールとして評価される対象になります。

その他にも、大学院に在籍しておく価値はあります。
退学せずに大学院に残るメリット
- 新卒として就職する選択肢を保険として残しておく。
- 国民健康保険、国民年金、住民税などが扶養・免除・猶予にできる。
- 大学の施設を使うことができる。
- 奨学金を借入することができる。
- 学生起業というプロフィールを作ることができる。
特に④と⑤はメリットが大きいかも。
現在の第2種奨学金はほぼ金利がゼロなので、実質無利息・無利子で数百万円を借りることができる学生の特権です。
ただし、奨学金を無駄使いしてはいけませんよ!!
奨学金を使った若いうちからの資産運用をしておくべきです(詳細は以下ページをご参照ください)。

もう一つが『学生起業』と名乗れることですね。
学生起業であることに実質的な意味はありませんが、印象が良いですよね。(笑)
一方で、デメリットは学費ですね。。
「学費を回収すしてやる!!」っていう感情をフリーランスとして起業するためのモチベーションにしましょう。
では、具体的に何を始めればいいのでしょう??
考え方は2通り。
- 自分のやりたい・得意なことを仕事にする。
- 社会のニーズが高いジャンルで仕事を選ぶ。
ぶっちゃけ、①はめっちゃハードルが高いです。。
でも、②は結構簡単ですよ!?
有名なクラウドソーシングサイトはランサーズとクラウドワークスの2つです。日本最大の大手サイトなので現在必要とされているお仕事の案件はこの2サイトに集中して掲載されます。
2020年はYoTubeを始めた人が増えたり、Vlogの知名度が上がったこともあり、動画編集案件が増えました。まさに、世の中の需要とクラウドソーシングサイトで募集される案件がリンクしていました。
また、Webサイトの製作なども常に需要がありますね。
理系出身者ならプログラミングを経験した人がほとんどだと思うので、その経験を生かせばWebエンジニアとして起業するハードも高くはないはず。

ちなみに、クラウドソーシングで仕事を受注できるようにならなければ、フリーランスとして活動することは、まず無理です。
ランサーズやクラウドワークスなどで案件を受注できるようになることは、フリーランスとして活動していくための”登竜門”だと思ってください。
» ランサーズの公式サイトはこちら
» クラウドワークスの公式サイトはこちら
あなたが現在“できること”だけで仕事をしようとしないでください。
例えば「プログラミング未経験だからWeb製作とか無理」と選択肢から除外するのではなく「プログラミングを勉強すれば、Web製作の仕事ができる」と考えてそのためのスキルを身につけなければいけません。
フリーランスとして活動するなら、“今自分ができないこと“や“持っていないスキル”を勉強し身に身に付けることが必要になります。
研究を辞めたあと③
研究室を変えたいと教授に相談する
「研究者を目指したい」 or 「どうしても大学院卒の学歴が欲しい」っという強い希望がある場合は、正直に教授に相談してみるのが良いでしょう。
大学院は融通が効きます。
例えば、A大学院に在学しているけど、B大学院の教授の元で研究をしていて実質的な指導教官はB大学の教授っというケースも珍しいことではありません。
派遣学生的な感じで考えてもらえればOKです。
この場合、そのままB大学の教授の元で修士論文を書いてA大学院に提出して修士号をA大学院で取得、という流れになります。
つまり、編入や再入学しなくても大学院を卒業することは可能だし、研究者を目指すなら博士課程からB大学に入学すればOKです。
こうした方法と取るためには、以下2通りのパターンのどちらかができなくてはいけません。
- 自分で他大学の研究室にアポを取ってそこの教授に相談してみる。
- 現在の指導教員に他大学の研究室を紹介してもらう。
①は、実績もない修士学生にとってはハードルが高いですが、行動力が高い人ならすぐに気になる研究室を訪ねていけるかもしれませんね。
一方で②の方法は楽です。(笑)
これくらいは教授も対応してくれると思います。
※もし何も対応してくれないのであれば、そんな研究室を選んだあなた自身にも責任があったと思い諦めましょう。
繰り返しになりますが、大学院生が他大学に派遣されるような形で、研究室を移ることはまったく珍しことではありません。
教授の海外の共同研究者の元へ修行に行くことを勧められることだってあるくらいですから。(笑)
大学院は教育機関ではなく研究機関。
このことを理解できれば、けしてイレギュラーなことでもないと思えるはずです。
最後に:教授と合わない…って全然珍しいことではありません
ちょっと残念なことではありますが、教授と合わない(嫌われているかも)っていう状況なんて珍しいことではありませんので、気にせずに前向きに考えましょう。
ピンチはチャンスって言葉もあるくらいですからね。
「教授と合わない、関係性が悪化した」と思うなら、無理に関係を修復・改善しようとせず、研究を辞めてしまうのが一番良い方法です。
もやもやした気持ちでいる時間が長いだけ、状況は悪化するかもしれないし、そもそも時間の無駄です。
次にやるできことを考えましょう。
研究を辞めた後に進むべき3選
- 大学院の卒業を待たずに大卒として就職する。
- 大学院2年間でスキルを習得して起業する。
- 研究室を変えたいと教授に相談する。
個人的には“大学院在学期間を利用してフリーランスとして起業するためのスキルを身に着ける”ことがあなたにとってのベストな選択になると思います。
社会に出ても研究室を変えても人間関係に悩むことなどいくらでもあるはずだし、あなたは人よりも感受性が高くてナイーブな性格なのかもしれません。
それらな、フリーランスとして個人で働く道を早いうちに開拓していく方がいいんじゃないの??って思いませんか??
最後に、「研究室に顔を出さなくなり、音信不通…。そのまま自主退学」っていう状況になることだけは避けてくださいね。