コロナ禍で経営が苦しく、お店の存続危機、もしくは撤退を余儀なくされている個人事業者・経営者の方も少なくありません。
コロナ禍が問題視され始めた2020年3月あたりで閉店することができていたら、こんなにも苦しまずに済んだかもしれないのに、まさかコロナの影響がこんなにも長引くとは思っていなかった…。
閉店するタイミングを逃したために、運転資金も底を尽き、さらには撤退費用も捻出できない。
本記事では、こんな状況から私がどう切り抜けたかをお話します。
- 350万円で譲渡売買が成立してカフェを閉店&撤退
- 飲食店・カフェを譲渡売買で閉店・撤退する方法
私は2019年8月に譲渡売買という形で2年8か月間経営していたカフェを閉店しました。
閉店の原因は経営不振。
現在のコロナ禍の影響はないにしろ、売上が伸びずに赤字経営が続いた末の閉店でした。
しかし、運転資金は底を尽き、月々の支払いをカードローンで回して自転車操業するまでに状況は悪化しており、閉店しようにも撤退費用(現状回復資金)なんて手元になく、閉店したいのに閉店できない苦難の日々を送っていました。
そんな私がこの窮地から抜け出すことができた方法が『譲渡売買』です。
もし、同じような悩みを抱えている飲食店・カフェ経営者も『譲渡売買』という方法で現状を抜け出すことができるかもしれません。
目次
【体験談】300万円で譲渡売買が成立してカフェを閉店できた!!
私が経営していたカフェの場合、閉店するにしてもスケルトン返しで原状復帰するために必要な費用は約100~150万円。
そんな費用を捻出することができず、赤字経営でありながら閉店できないと言う状況が1年以上続きました。
マジでヤバい状況。夜逃げか自己破産で雲隠れするしかない…とまで考えていたほどです。
しかし、『譲渡売買』という方法でカフェを300万円で売却することができ、無事に閉店することができました。
ちなみに、閉店時の貯金は300万円、借金は1,000万円。(笑)
自己破産することなくリスケしながら生きています(詳細は以下ページをご参照ください)。
≫【実録】カフェ経営に失敗して借金1,000万円!!【リスケして返済猶予中】
飲食店・カフェを譲渡売買で閉店・撤退する方法
『譲渡売買』って店舗経営者でもおそらく聞きなれない言葉だと思います。
譲渡:所有資産を移転させる一切の行為のこと
今だからこそ言えることは「譲渡売買という方法があることをお店を始める前に知っていれば、もっと違った結果になっていたかも」ということ。。
譲渡売買ってなに?
お店を内装を売買すること。
譲渡売買が成立すれば、入れ替わりでテナントの賃貸契約が結ばれるため、現状復帰義務の必要はなく、そのまま退去(閉店)することができます。
どうやって譲渡売買するの?
お店を買い取ってくれる&引き続き同店舗を使ってくれる人を探して値段交渉します。
ただし、自力で譲渡売買してくれる人を探すのは難しいため、不動産屋さんに仲介してもらうのが一般的です。
※不動産会社さんへの仲介手数料は発生します。
しかし、買ってくれる人がいれば誰てもOKとうわけではありません。
テナントの持ち主は家主様であるため、事前に”家主様の許可”が必要になります。
※ほとんどの場合契約解約時には原状復帰事項が定められているので、譲渡売買という契約書にないことをしようとしているのばからそれがOKかも含めて家主様へご相談するのが筋でしょう。
つまり、いくつかの条件をクリアしなければ譲渡売買は成立しません。
譲渡売買を成立させるための条件
- お店を買い取りたい人を見つける。
- 家主様からのOKをいただく。
私の場合、不動産業者に仲介してもらって購入希望者を探しました。
具体的には、お店のある地域で事業用テナントを扱っている不動産業者に連絡をして、テナントをお探し中のお客さんを紹介(仲介)してもらうだけです。
不動産業者に仲介してもらう具体的な方法
テナント仲介している不動産業者に「現在営業中のお店の譲渡売買を検討しています」という旨を伝えて、仲介していただくことが可能かどうか問い合わせしてみます。
参考までに、私は4~5社の不動産業者のHPのお問い合わせから、以下のテンプレ文を送って相談に応じてもらえる不動産業者を探しました。
○○様、お世話になります。
現在、△△坪の賃貸テナントで飲食店を営んでおります。
この度、移転を見据えた店舗の譲渡売買を考えており、○○様にお力添えしていただけないかと思いご連絡した次第でございます。
なお、店舗は営業開始から×年×ヶ月目、スケルトンから施工し、開店当初の厨房機器はすべて新品で導入しております。
譲渡金額は500万円(税込)で希望しております。
もしご協力いただける様であれば、お返事いただけると幸いです。
ご検討のほど、よろしく願い致します。
※譲渡金額は値切り交渉があることを前提に高めに設定しておくことをおススメします。
不動産会社によって、親身にご対応していただけるところもあれば、そうでないところもあるため、対応はまちまちだと思っておいた方が良いでしょう。
なお、もし仲介により譲渡売買が成立した場合、私がご相談していた不動産会社様はすべて仲介手数料は家賃一か月分という条件がついておりましたので、念のためご注意ください。
ちなみに、不動産会社様にご協力をお願いしたからといってすぐに買い手が見つかるわけではありません。私の場合は買い手が見つかるまでに4か月くらいかかりました。
もし「閉店を視野に入れている」という状況であれば、早めに譲渡売買に協力してくれる不動産業者を探しておくことをおススメします。
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なぜ譲渡売買でお店を購入したい人がいるのか
そもそも「お店を買い取りたい」って人がいるのか気になりますよね。
なぜ他人が営業していたお店を買いとって新店舗として営業したいのか、その理由を知っておくだけでも価値があります。
譲渡売買でお店を買い取りたい、という人には3パターンの特徴があります。
お店の設計ができないタイプ
初めての飲食店経営のため、スケルトン状態のテナントよりも、すでに出来上がっているお店を自分なりにアレンジして新店舗として営業したいというタイプです。
初期費用を安く抑えたいタイプ
戦略的に初期費用を抑えて新店舗を作ろうとしているタイプです。
※私もこうした考えを持つべきでした…。
実際、お店をゼロから作るよりは既存店を買ってしまった方がコスパが良いケースがほとんどです。
この立地で営業したい!!というタイプ
場所にこだわってテナントを探しているけど、空いているテナントがないので買い取ってでもテナントを抑えたいというタイプです。
割合で言うと、圧倒的に「初期費用を安く抑えたいタイプ」の人が多かったです。さらにこのタイプの人はすでにお店を持っている経営者でした。
また、結構激しい値段交渉もしてきます。(笑)
500万円の提示に対して「180万円なら買う」と交渉してくる人もいましたので、こちらも弱気な姿勢を見せてしまうと、あちらの言い値で交渉が進んでしまう可能性もあるのでご注意ください。
私の場合は500万円の提示価格でしたが、最終的に300万円で売却しました。
最後に:閉店の可能性があるなら早めに譲渡売買を検討すべき
むしろ、すぐに閉店するつもりはないけど「この値段なら売っても良いカモ」という気持ちがあるなら、とりあえず譲渡売買を検討しいても良いかもしれません。
どうせすぐに買い手が決まることはないはずだし、逆に「どうしても売って欲しい」という人が現れれば、高値で売ってしまうもの戦略的撤退だと思います。
どちらにせよ、お店を閉店する時には“コスト”が発生します。
現状のコロナ禍によって飲食店業界はとてつもないダメージを受けていることは間違いなく、すでに閉店を余儀なくされたというお店も少なくはないはず。
閉店するにしても「原状復帰の費用を捻出できずにどうすることもできない…」と悩んでいる事業者の人もいるかもしれません。
それとは逆に、この機会を参入のチャンスと見てし出店を考えている人がいるのも事実です。
ピンチはチャンスになるかもしれません。
以上です。
私の経験が誰かのお役に立てれば幸いです。